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帰国後


そして4年間の留学生活を終え帰国した私は、
幸運にも希望通りの仕事に就く事ができました。

デザイン事務所に就職し某二輪メーカーの担当につけてもらい、
工業デザイナーとしての一歩を踏み出す事ができたのです。

しかしそこで私が担当した仕事はバイクのデザインではなく、
そのメーカーの新規事業のお手伝い。

10年後、20年後の将来を見越して、
バイク以外の事業の可能性を模索するというものでした。

そのプロジェクトを通して見た日本の現状、
環境問題、年齢別の人工推移、経済状況、価値観の変化、
そして日本と世界の未来像。。。

自分の中国でバイク会社を作るという夢への疑問が浮かんで来ました。

「世界でもトップシェアを誇る日本のバイクメーカーが、
 バイクだけでは生き残れないことを悟って準備しているのに、
 いくら中国相手とは言え
 今頃バイク会社立ち上げなんか考えてていいんだろうか?
 私の夢は時代や社会環境にマッチしていないんじゃないだろうか?」

そんな考えが頭に浮かび、
そのデザイン事務所の過酷な労働条件や
社長達との価値観の違いも手伝って、
その会社を1年で去る事になりました。

その後、自分の生活を支え、
好きなことを続けながらデザイン経験を積み重ねて行くために、
バイクの次に好きな、ギフト(デザイン雑貨)のデザインを
手掛ける仕事に就くことを選択しました。

会社から仕事で
香港や中国に送ってもらえるかもしれないという期待もあり、
最初は香港に本社を持つメーカーに転職し、
1ヶ月後その会社の紹介で、
ノベルティギフトの総合商社に入りました。

転職してしばらくは、
「とにかく自分が手掛けたものを早く世に出したい」
という気持ちが強く、
その願いは努力の甲斐あって
時間の経過と共に次々と達成されて行きました。

新しい職場である程度功績も認められ、
自由でゆったりした職場環境の中、
仕事もプライベートもある程度満足の行くものになり、
それが安定して手に入るようになっていました。

しかし常に
「この程度で私の人生終わっていんだろうか?」
という疑問が残り、
完全に満たされた気持ちでいられることはありませんでした。

新しい仕事に慣れるにつれ、
広告・宣伝業界のマイナス面が見えるようになり、
コスト・納期重視で
安い材料・安い人件費に集中した物作りや
消費者を惑わすイメージ作りに対する
罪悪感も生まれて来ました。

そんな中、大学時代からの課題だった時間管理を学んだり、
より自分にとってプラスになる人脈を求めて、
成功哲学の元祖とも言える
ナポレオン・ヒルプログラムに出会い勉強を始め、
徐々に内面が変化して行きました。

年齢・性別・職業等に関わらず、
広範囲に渡って新しい前向きな人達と知り合う機会が増え、
自分の世界が広がって行きました。

精神的な成長と共に、
自然とより高次元のニーズに集中できるようになり、
ボランティア活動などにも
自分の時間を割くようになりました。

ナポレオン・ヒルプログラムのユーザー交流会で知り合った仲間と
ペイ・フォワードを促進するボランティアグループを立ち上げ
代表としてリーダーシップやグループ運営を学ぶ機会にも恵まれました。

時間や気持ちに多少の余裕ができ、
趣味やスポーツにも積極的に時間を費やすようになりました。

自分が勉強して得たノウハウを使って、
年下の人達にアドバイスをする機会も増えました。

「やりたいことが見つからない。」
という彼女達によく
「魔法の杖が手に入って、何でも叶えてくれるとしたら何をお願いする?」
とか
「余命1年を宣告されたら何をする?」
という質問を投げかけました。

その度に、自分自身にも同じ質問を投げかけていることになり、
私自身心の中で答えていました。

そして私のその答えは常に
「中国に行き中国の人達に愛を贈る」ことでした。

そしてその答えが頭に浮かぶ度、自分自身に
「なんで行かないの?」と問いかけている自分がいました。


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